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⺠間会費による都市再⽣推進法⼈であるMDCがアーバンデザインの可視化プロジェクトとして本件を提起。これに地元財界団体「太陽の会」が寄付決断、市・MDC・地権者が都市利便増進協定を結ぶことで公共空間(遊歩道公園+市道200m)の⺠間整備が可能となった。30もの地権者が協定に加わった稀有なケースであり、この協⼒が通りの市⺠⾃治的管理を可能にしている。
⼯事竣⼯がゴールではなく継続的美観管理と賑わい創出が重要でそれを「⾺場川通りを良くする会」が担っている。このまちづかいの当事者がデザイン・設計チームとの対話や社会実験を繰り返すことで、デザインからまちづかいがシームレスに繋がり「前橋らしい」空間を実現している。こうしたプロセスの成果として、意匠・安全性・快適性・維持管理容易性をバランスできている。
前橋市が掲げる「前橋市アーバンデザイン」のリーディングプロジェクトとして、前橋デザインコミッション(MDC)が公共⼯事の資⾦調達から完成後における管理運営の事務局を担う。事業費は地元企業家有志からの寄付⾦やMINTO機構からの拠出⾦をもとに設⽴した前橋市の助成⾦により調達。
前橋市とMDCがタッグを組みながら周辺地権者が都市利便増進協定を結ぶことで、官⺠が連携して公共空間の管理運営を担う持続可能な社会の仕組みを構築している。
まちの再⽣にあたり着⽬したのは前橋発展の礎となった⽔路の存在である。戦後の都市化で⽔路には蓋がされ⾞が主役のまちに変貌する中、商圏が郊外に移り中⼼市街地の衰退が始まる。デザインの提案はシンプルで、⽔路の柵を外して蓋を取り払いデッキやベンチを設けて⼈と⽔との関係性をまちなかに取り戻すことであった。酷暑で有名な前橋にあって役割を終えた⽔路をまちの冷却装置と捉え直し、安全性と快適性を兼ね備えた環境基盤を実現している。
設計開始から⼯事完了までの3年間を使い、地元市⺠を巻き込んだ勉強会やワークショップに加え、社会実験や⾒学会を継続的に⾏い整備後の運営体制を徹底的に議論してきた。
その成果がエリアマネジメント組織「⾺場川通りを良くする会」へと発展。かつては⽔路(準⽤河川)・遊歩道(公園)・道路(市道)に分かれていた管理窓⼝を市街地整備課に⼀本化し、円滑な官⺠連携体制を構築することで、市⺠の意志が反映しやすい活動の舞台がまちの中⼼に整えられている。まちびらき後には毎⽉の⼩さな企画として「ボードゲーム⼤会」や前橋産バラの販売会「Poppin Rose Market」が定着化されつつあり、2024年5⽉からは維持管理活動の⼀環としてごみ拾いを⾏い、その後コーヒーを飲みながら参加者がゆるくつながる「CCC(Cleanup & Coffee Club)@前橋⾺場川」も始まり、ハード整備で終わらないソフト事業も⼀体となった⺠間が主体のまちづくりを進めている。
コロナ禍前5年データに対して歩⾏者通行量が112%増加(SIB評価による2024年6⽉実績)➡「国内初のまちづくりSIBが最⾼評価で終了」
2024年7⽉の路線価発表で、前橋市の中⼼市街地である本町2丁⽬(本町通り)の路線価が32年ぶりに上昇。要因として「⾺場川通りの整備」も寄与。
24年だけで⾺塲川通りで5店舗開業(予定含む)
天元ビルリノベ(10⽉竣⼯)、そのほか開発予定で2物件を地元投資家が取得
明治時代から戦前にかけて、前橋市街地に近代的なまちなみ整備にレンガは⼤きな役割を果たしてきた歴史があり、その様⼦は現在でも上⽑倉庫や安⽥倉庫などからうかがい知ることができる。そんなレンガの歴史を継承して、近年、前橋市ではレンガを使った広瀬川河畔緑地など歩道や⾞道にもレンガを使った整備が⾏われてきている。本プロジェクトでもこういった動きと連動し歩⾞道を⼀体的にレンガで整備するなど⽂化の継承に取り組んでいる。また、まちの⽊質化の取り組みとして、トレーサビリティの観点から国産材を使⽤してベンチやデッキ、公衆トイレの外装材とした。薬剤を使⽤しない耐候性処理を施した⼈にやさしい安⼼安全な⽊材を選定している。
前橋では江⼾末期に前橋城の再建を⺠間⼈が担い、明治期には⾼崎から前橋に県庁を地元有⼒者が誘致するなど、市井の声を官⺠が連携して実現してきた⽂化がある。この象徴が⾺場川プロジェクトそのものであり、寄付による公衆トイレや記名レンガである。その存在が、前橋が⽬指すべき社会的包摂性を明⽰している。
世界的デザイナーであるジャスパー・モリソン⽒のデザインにより、⾺場川通りの起点に位置する公衆トイレの建替えを⾏った。トイレ機能以外にもポーチや倉庫、既存地上機のカバーなど通り全体に寄与する機能を備えている。構造は⽊造、また外壁材には⽊材を使⽤することで、脱炭素化を考慮した持続可能なまちづくりを⽬指した。
夏季の気温と⽔温(2023年8⽉23⽇計測)。左図、上から利根川(⽔⾯24.9℃/気温32.0℃)、広瀬川(⽔⾯25.4℃/気温32.0℃)、⾺場川(⽔⾯19.0℃/気温32.0℃)。測定結果により、⽔の表⾯温度が外気温より最⼤13℃低いことが判った。利根川から取⽔された⾺場川の⽔温が最も低いが暗渠区間で地中冷却されたためと考えられる。これらの調査を基に、まちを冷やす⽔路の可能性を追求し、⼼地よい⼈の居場所という観点に置き換え計画に反映している。
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