MDCまちづくりセミナーで「国内初のまちづくりSIB」を解説しました!

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目次

     これまでのまちづくりセミナーでは、マーケティングやリーダーシップ等からまちづくりを紐解いてきましたが、今回はSIB(Social Impact Bond)という金融技術について最先端の実践事例をご紹介しました。

     MDCの馬場川プロジェクトは今春工事としてのゴールを迎えます。しかし、重要なのは整備の環境を活かす「まちづかい」とその「担い手」です。工事が終わっただけではまちは機能しませんし、「魂を入れた」状態にはなりません。

     市街地空洞化対策、簡単に言うと「賑わい」を創り出すことは、工事による空間整備とその空間を活用する「まちづかい」が両輪となります。前橋のまちなかにとって社会課題は「賑わい」創出であり、MDCは馬場川プロジェクトを通じた「賑わい」創出に取り組んでいます。

     では、どうすれば「賑わい」が生まれるのか?簡単に答えは出てきませんので、そのための「社会実験」を行って答えを探そうというのがMDCの取り組みです。また、同時に「賑わい」を生み出す担い手を生み出すための「勉強会」を行っています。

    活動の原資は?

     こうした「賑わい」創出の活動にもお金が必要です。そこで、一般には行政からの業務委託等で行われますが今回は成果連動型業務委託(PFS : Pay for Success)という新しい契約方式が採用されました。つまり、成果に応じて払い額が変動するものでMDCが頑張って成果を出せば相応の委託金額が支払われます。逆に成果が不充分であればお金が支払われません。

     一見、厳しいようですが民間のビジネスであれば当然のことであり。民間組織であるMDCとしては合理的でやりがいのある方法であり、税金を投入する行政(前橋市)にとっても無駄がないことになります。

     このPFSに組み合わされるのがSIBです。PFSだけでの運用の場合、成果の評価が終わってお金が支払われるまでMDCが全ての経費を建て替えることになってしまいますので、MDCのような脆弱な団体では困難です。そこで、民間の機関投資家から資金を調達してプロジェクトを実施して、最終成果が出た段階でそれを投資家とMDCでシェアするスキームがSIBです。

     SIBは2010年に英国で始まった新しい社会課題解決型金融モデルです。日本ではヘルスケア分野では実績があり、ガン検診受診率向上や禁煙推進による医療費削減といった課題解決モデルがあります。国土交通省によるまちづくり分野で2021年に国内初(現在も唯一)となったMDCの取り組みでは、「賑わい」創出のための「社会実験」と担い手育成の「勉強会」を実施しています。最終評価は今年6月を予定しており、充分な手応えを感じています。

     この新しい金融の仕組みとMDCの実践に参加者のみなさんに関心を持って頂けたようです。    

     次回、年度末で一区切りとなるMDCまちづくりセミナーでは「馬場川プロジェクトにおける『公共空間の民間整備』の意義」について話題提供させていただきます。

    日時:3月6日(水)19時-20時
    会 場:中央通り商店街MDCオフィス及びZoom-Webiner
    テーマ:「馬場川プロジェクトにおける『公共空間の民間整備』の意義」
    講 師:MDC日下田

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